KA
河添甚 / KAWAZOE ARCHITECTS
一級建築士・代表 / 古民家再生・リノベーション
古民家を再生する前に、その構造の特徴を正しく理解することが重要です。伝統工法の特徴と現行建築基準法との関係、建築家が構造をどう読み解くかを解説します。
01伝統工法の特徴
江戸〜明治期の古民家の多くは伝統工法(継ぎ手・仕口による木組み)で建てられています。特徴は①金物を使わず木の継ぎ手・仕口で構造を組む②太い柱・梁で大空間を実現③「揺れを許容する柔構造」で地震エネルギーを分散——です。現代の在来軸組工法(金物接合・耐力壁)とは設計思想が根本的に異なります。
02現行建築基準法との関係
昭和56年以前に建てられた古民家は旧耐震基準で建てられており、現行の耐震基準(新耐震基準)に適合していない「既存不適格建物」です。大規模改修を行う場合は現行法への適合が求められますが、建築家は法規確認を行い、どこまで対応が必要かを的確に判断します。
03構造調査の重要性
古民家の再生設計を始める前に、構造材の腐朽・シロアリ被害・柱の傾き・基礎の状態を調査します。外観からは分からない劣化が内部に潜んでいる場合があり、床下・小屋裏・壁の中まで調査することが重要です。調査結果をもとに改修の優先順位と費用を見積もります。
04構造を活かした設計
古民家の太い梁・大黒柱・土間などの構造的要素は、そのまま内装のデザイン要素として活用できます。「あらわし(露出)」にすることで古民家らしい空間が生まれます。建築家は構造の安全性を確保しながら、古民家の魅力を最大限に活かした設計を行います。
RELATED
古民家再生トップページを見る →AUTHOR
KA
河添甚(かわぞえ じん)
一級建築士 / KAWAZOE ARCHITECTS 代表
大阪工業大学建築学科卒。設計事務所・ゼネコン勤務を経て独立。香川・東京の2拠点で古民家再生・リノベーションの設計を行う。