今回は住宅の床材としてよく使われるフローリングについて話をしたいと思います。一般的に複合フローリングと言われるものが住宅はよく使われています。ただ、今回は無垢のフローリングについてです。無垢フローリングとはどういったもので、材種はどういうものがあって、どういう特徴があるかを解説したいと思います。
無垢フローリングとは
無垢フローリングとは、スライスや鋸挽きした板材(紙のように薄いものを含む)を重ね合わせた複層フローリングではなく、断面を見て単一の木材から出来ているものを指します。
※無垢(むく)の木材の定義としては、集成・積層などといった木を継ぎ足す加工を施していない木そのものだけでなく集成材・積層材も無垢と呼ばれることもあります。
天然木の単層板で造られたもので、乾燥のさせ方で人口と天然ものがあります
無垢フローリングのメリット
- 森林浴気分を味わうことができる(無垢のフィトンチッドによるリラックス効果)
- 子育ての環境に適している(無垢のフィトンチッドによる抗菌・殺菌・鎮痛作用)
- 自然素材特有の調湿効果がある(無垢材は製材された後も呼吸をして生きている)
- アトピーやアレルギーの心配が少ない(無垢材は化学製品を使わない)
- 優れた断熱効果を持つ
針葉樹
※ 写真の木色は実際と異なります。
松(パイン)
柔らかな木目と材質を持ち、加工しやすく、ユニークな木柄が特徴になります。上品な白さ。比較的安価で手に入る。節が無いものやレッドパインは非常に高価。
桐(キリ)
高級感漂う白さ。木目はやや非常に軽くて柔らかく、曲がりにくい。材冬はあたたかで夏はサラサラ。密閉性の高いものを作れるため、家具にも多用されます。柔らかい材質なので凹みやすいため使用する場所を考慮する必要が有ります。
杉(スギ)
深みのあるベージュ色。濃い木目がある。独特の香りと柔らかい肌ざわりで歩行感が良いのが特徴的。ただ、柔らかい材質の為、表面が傷付きやすい。
檜(ヒノキ)
繊維や緻密なため固く、白身を帯びた材料で上品なベージュです。節があるものとないものとがあり独特な香りと美しい光沢があります。傷がつきにくく、また湿気や乾燥による伸縮の幅も少ないです。
豪州ひのき(サイプレス)
平滑で緻密、比重があり堅い豪州檜は、抜群の耐久性があります。黄褐色に濃い木目が細かめに入っている。シロアリにとても強い。加工性も安定性も優れているので無垢材にもおすすめ。
バンブー(竹)
傷がつきにくく、収縮膨張も少なく安定しています。少し緑がかった涼しげなベージュ色です。育って3年で素材として使えるため環境にやさしい。高い耐久性、優れた消臭効果、調湿効果があります。
広葉樹
栗(チェストナット)
虫に強く、腐りにくい「タンニン」を多く含む特性があります。タンニンにより赤褐色から黒褐色へ変化します。また、木目が非常に濃く弾力性、耐久性、防水性に優れています。アンティーク調のインテリアにも合わせやすいです。
ウォルナット
濃褐色。肌目は粗めで美しい光沢。加工性や安定性に優れている。
タンニンでなめすと色合いが深く光沢を増していく。
チーク
ダークブラウンとキャラメルブラウンの縞。
世界三大銘木の1つ。硬くて頑丈。ニスやオイルいらず。
アジアンやバリ風によく合う。縞模様が印象的。
バーチ(カバ)
白い光沢が印象的。まっすぐな木目でバランスが良い。
オイル仕上げでさらに磨きがかかる。安定性、防水性が高い。フローリングに適している。
オーク(ナラ)
白っぽいベージュ。ホワイトオークが有名。
虎斑(とらふ)と呼ばれる虎のような模様が特徴的。銀色に輝いて見える。傷つきにくい。
ビーチ(ブナ)
色目がやさしいベージュ。上品な印象。
板目が美しく加工性に優れている。
チェリー(桜)
赤みがかったベージュ。きめが細かくやさしい肌触り。
アッシュ(タモ)
清潔感のあるナチュラルベージュ。木目は茶褐色。
加工がしやすく表面が仕上げやすい。家具に多用されている。
まとめ
無垢フローリングは高級なイメージが有りますが、長い目で見れば耐久性が高く、非常に長持ちする材料と言えます。また、風合いも徐々に出てくるので愛着も湧いてきます。材料の接着材も使用しない為、人体への影響も少ないです。また、住宅の機能に応じて材種を選ぶのも選定に欠かせない条件の一つであると思います。
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