コンセプト
「閉じながらも奥行きを感じる空間」。
外に対しては静かで端正に、内に向かっては柔らかな広がりをもたせる構成としました。家族が安心して過ごせる完全囲いのテラスを中心に、仕事と暮らしが緩やかに調和する住まいをデザインしています。
外観デザイン
外観は、複数のボックスが重なり合うような構成で構築。素材や高さの違いによって陰影を生み、閉鎖的でありながらもリズムを感じさせるデザインとしました。通り側には小規模な美容室が併設され、シンプルでありながら建築全体のアクセントとなるよう計画。住宅部分との一体感を保ちながら、訪れる人に静かな印象を与えるファサードです。
内部構成
LDKは南側の大きなプライベートテラスに面し、壁で囲まれた外部空間が心地よい安心感をもたらします。高い壁が外からの視線を遮りながら、上部から光を落とし込み、時間の流れとともに変化する陰影を感じられる空間。
階段下のスペースには子どもたちの遊び場を設け、家族の気配をいつでも感じられるように設計しています。
美容室スペース
玄関を挟んで設けた美容室は、ひとりで落ち着いて営むための小さな空間。外部からの導線を明確にしつつ、内部の生活空間とは緩やかに距離を取っています。窓越しにはテラスや家族の動きが感じられ、仕事の合間にも生活のぬくもりを感じられる構成としました。
空間性と暮らしの融合
閉じた構成の中で、光の入り方や壁の高さ、素材のコントラストによって空間の広がりを表現しています。外に向かって開くのではなく、内側で完結する「静かな豊かさ」。それがこの家の最大の特徴です。
家族の時間と仕事の時間が自然に共存する、穏やかな空間体験を目指しました。
