はじめに
敷地を読み解いたうえで、クライアントや関係者へ魅力を伝える“プレゼンテーション”は設計者にとって重要なステップです。本稿では、「光・緑・風」をテーマに、地方と都市の良さを融合した住まいをどう伝えるか、プレゼン構成と表現のポイントを紹介します。
1. プレゼンの骨子を整理する
1.1 コンセプト提示
「光と風が巡る開放空間」「庭の緑を望む暮らし」「都会的なオープンキッチン」をキーワードに、冒頭でコンセプトを明確にします。

1.2 敷地条件と読み解き
敷地調査で得た風景、風向き、日影、視線コントロール案などを整理。一枚の敷地図+分析図で視覚的に提示します。
1.3 空間構成の提示
- 吹き抜けリビングと暖炉コーナー
- オープンキッチンとダイニングの動線
- 窓と開口部配置案(緑景取り込み、視線遮断)
- 外部空間(庭・植栽)との連続性
2. 図面・パースで魅せる
2.1 平面図・断面図の見せ方
各図面には視線矢印や風の流線、光の通路を重ね、設計意図を視覚化します。
2.2 パース・スケッチ
人が居るスケール感を加えたパースで「住み心地」を伝える。緑と空とのつながりを強調。
2.3 マテリアル・カラーイメージ
木目、グレー、黒などの素材感を色サンプルと合わせて示し、空間のトーンを統一。
3. ストーリーを語る
3.1 日常シーンを描く
朝の光、夕暮れ時の暖炉時間、家族が集う団らんなど、時間の流れを感じさせる演出。
3.2 機能とデザインの両立
収納、家事動線、環境性能など、実用要素をデザイン意図と結びつけて説明。
3.3 田園と都市の融合を強調
地方だからこその緑や風景を取り入れ、都会的洗練とのバランスを意識した提案を強調。
おわりに
優れたプレゼンは「設計を言葉と図で語る技術」です。敷地読み・構成・表現を磨くことで、クライアントの心に届く提案となります。次は具体的な素材選び・仕上げの検討段階へ移りましょう。