まずデメリットから正直に話します
設計事務所を選ぶかどうか迷っている方に、デメリットをまず正直にお伝えします。 自社サービスのデメリットを先に書くのは珍しいかもしれませんが、 それを知ったうえで依頼を選んでいただく方が、お互いにとって良い結果になると考えているからです。
① 設計料が別途かかる
工事費の10〜15%が設計料として加わります。30坪・工事費2,000万円の住宅であれば200〜300万円の設計料が発生します。ただし後述するように、競争見積もりによる施工費削減でカバーできるケースが多くあります。
② 着工まで時間がかかる
基本設計・実施設計に6〜9ヶ月かかります。「半年以内に建てたい」という方には向いていません。設計を丁寧に行うほど、着工後の手戻りが少なくなるというメリットもあります。
③ 打ち合わせの回数が多い
設計の自由度が高い分、打ち合わせ回数が多くなります。設計期間中は月1〜2回の打ち合わせが一般的です。仕事が忙しく時間を確保しにくい方には負担になる場合があります。
④ 設計事務所によって品質差がある
設計事務所は大企業のように品質が均一化されていません。建築家個人の実力・姿勢・地域知識によって品質が大きく変わります。実績・工事監理の有無・地域知識を事前に確認することが重要です。
建築家・設計事務所に頼む5つのメリット
01
敷地・暮らしに完全に合わせたオーダーメイド設計
間取り・素材・高さ・開口部の位置まで、あなたの敷地と暮らし方に合わせてゼロから設計します。規格プランに「合わせる」のではなく、設計が「合わせる」関係です。土地の個性(変形地・眺望・日照)を強みに変える設計が可能です。
02
競争見積もりで施工費を透明化・適正化
完成した設計図を複数の施工会社に送り、同じ条件で見積もりを比較できます。実際のケースでは3社の見積もりに200〜400万円の差が出ることがあり、設計料を支払っても総額でハウスメーカーと変わらないか有利になるケースが多くあります。
03
工事監理で「思っていたのと違う」を防ぐ
設計した建築家が現場を定期確認し、施主の代理人として品質を守ります。「図面と違う施工」「手抜き工事」「材料の勝手な変更」を防ぐ最も確実な手段です。完成後の後悔を最小化します。
04
土地探しから相談できる、長期パートナー
土地の建築条件・法規・日照・工事費見通しを設計の視点で確認できます。ハウスメーカーや工務店に決める前の段階から相談できることが、後悔のない家づくりにつながります。
05
20〜30年後も快適な「資産になる住宅」
設計事務所は「今の好み」だけでなく「20年後の暮らし」まで考えた設計をします。バリアフリー対応・可変性・耐久素材の選定など、長期視点の設計は築後の資産価値にも影響します。
「設計事務所はやめた方がいい」という声への回答
ネット上には「設計事務所はやめた方がいい」という声もあります。 具体的なケースを整理すると、ほぼすべてが次の3パターンに分類されます。
「費用が高くなった」
競争見積もりをしない設計事務所を選んだ、もしくは施工会社選定を丸投げした場合に起きやすいです。設計事務所を選ぶ際に「競争見積もり対応」を確認することで回避できます。
「思っていたものと違った」
設計事務所の「得意なデザイン」と施主の「好きなスタイル」が合っていなかったケースです。初回相談で過去の実績を確認し、自分の好みと合うかを見極めることが重要です。
「工事の品質が悪かった」
工事監理を行わない(または形式的にしか行わない)設計事務所を選んだ場合に起きます。「工事監理を設計者本人がやるか」を契約前に確認することで回避できます。
「設計事務所はやめた方がいい」ではなく、「選び方を間違えた設計事務所はやめた方がいい」が正確な表現です。 選び方については香川の建築家・設計事務所の選び方で詳しく解説しています。
設計事務所・建築家が「向いている人」「向いていない人」
向いている人
- ◯間取り・素材・デザインにこだわりたい
- ◯敷地の個性(形状・日照・眺望)を活かしたい
- ◯施工費の内訳を透明にしたい
- ◯土地探しの段階から相談したい
- ◯長く住める品質の高い住宅にしたい
- ◯老後・子育て・将来の変化まで考えた設計がしたい
向いていない人
- △とにかく早く(6ヶ月以内に)建てたい
- △規格プランで十分でこだわりがない
- △打ち合わせに時間を使えない
- △デザインや素材よりコストを最優先する
よくある質問
Q. 「設計事務所はやめた方がいい」という声を聞きますが本当ですか?
A. 一部に根拠のある批判もあります。具体的には「費用が高くなった」「工期が長くなった」「思っていたものと違った」という声です。ただし多くは、①施主の希望と設計事務所の得意分野が合っていなかった、②初回相談でのコミュニケーションが不十分だった、③工事監理をしない設計事務所を選んでしまった、が原因です。設計事務所を選ぶ際のポイントを押さえれば、こうした失敗は十分に避けられます。
Q. 設計事務所の費用は工務店より必ず高くなりますか?
A. 設計料(工事費の10〜15%)は別途かかりますが、競争見積もりによって施工費が市場競争にさらされるため、工事費が下がるケースが多くあります。「設計料無料」の工務店やハウスメーカーは、その費用が施工費に含まれています。総額での比較では、設計事務所ルートが不利とは言えません。
Q. 設計事務所に頼むと工期が長くなりますか?
A. 設計期間(6〜9ヶ月)があるため、着工まではハウスメーカーより時間がかかります。ただし設計が丁寧であることで、工事中の手戻りや追加変更が少なくなり、工事期間は安定します。「早く建てたい」という方には不向きですが、「長く快適に住みたい」方には設計期間は必要な投資です。
Q. どんな人が設計事務所に向いていますか?
A. ①間取りや素材・デザインにこだわりたい人、②敷地の個性(変形地・旗竿地・眺望・日照条件)を最大限に活かしたい人、③施工費の透明性を重視する人、④長く住める住宅の品質にこだわる人、⑤土地探しの段階から専門家のアドバイスを受けたい人が向いています。
Q. 設計事務所に向いていない人はどんな人ですか?
A. ①とにかく早く建てたい人(着工まで1年以上かかることが多い)、②規格プランで十分でこだわりが少ない人、③設計段階での打ち合わせに時間を割くのが難しい人。これらの方には工務店やハウスメーカーの方が適している場合があります。
