現代住宅のトレンドのひとつがリビング吹抜けです。
天井が高く、開放感のある空間に憧れる方も多いですが、そのメリット・デメリットを正しく理解しないと「失敗した…」と感じることもあります。
今回は建築家の視点から、吹抜けの魅力と注意点について解説していきます。
吹抜けとは?建築家が考える意味
吹抜けとは、上階の床を一部設けずに下階から天井まで開放した空間のこと。
床面積はそのままでも実際以上に広さを感じられるのが最大の特徴です。
失敗しない家づくりを考える上で、「空間の質をどう高めるか」という視点で検討されるケースが増えています。
メリット① 上階からの採光で明るいリビングに
都市部や狭小地では、1階に光が入りにくいことがあります。
吹抜けを計画することで2階の窓から光を取り込み、明るく快適なリビングを実現可能です。
特に住宅設計で「日照条件が厳しい土地」に挑む際、吹抜けは大きな武器になります。
メリット② 家族の気配を感じられるつながり
上下階を吹抜けでつなぐと、声や気配が自然に届くため家族の一体感が生まれます。
リビングから子供の様子を見守れたり、2階にいても家族の存在を感じられる安心感が魅力です。
店舗デザインにも応用される「人と人をつなぐ空間設計」の考え方が、住まいに生かされています。
メリット③ 空間の広がりとデザイン性
吹抜けのあるリビングは、来客に「わあ!」と驚かれる空間演出になります。
視線が縦に抜けることで坪数以上の広がりを体感でき、注文住宅ならではの醍醐味を感じられます。
ポートフォリオにも、吹抜けを活かしたデザイン住宅の事例を多数掲載しています。
吹抜けのデメリットと注意点
一方で、吹抜けには以下のような注意点もあります。
- 冷暖房効率が落ちやすい:空気が循環しやすく、冬は暖気が上に逃げる
- 音が響きやすい:家族の生活音が上下階に伝わりやすい
- メンテナンス性:照明交換や掃除に手間がかかる
これらは「計画次第」で解決可能です。たとえば高性能断熱を組み合わせたり、シーリングファンで空調を効率化すれば問題は軽減できます。
設計ビジュアライゼーションを活用し、完成前に光や温熱環境をシミュレーションするのも有効です。
まとめ:吹抜けは暮らし方に合わせて選ぶ
吹抜けはメリットもデメリットもある設計手法です。
重要なのは「見た目の格好良さ」だけで判断せず、暮らし方・土地条件・性能のバランスを踏まえて検討すること。
建築ハウツーを参考に、冷暖房効率や採光計画を事前に確認しておくと安心です。
建築家と一緒に検討すれば、デザイン性と快適性を両立した吹抜けを実現できます。
ぜひお気軽に東京事務所や香川事務所までご相談ください。
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