静岡県角地の敷地特性とロの字型平屋の相性

静岡県の角地に位置する今回の敷地は、北と西に道路が接道する視認性の高い立地でありながら、外部からの視線や騒音対策が求められる都市的な環境でもあります。
こうした条件を前提に、私たちは外に閉じ、内に開く「ロの字型の中庭住宅」を初期提案としました。建物自体が塀の役割を果たすことで、外部からの視線を遮りながら、内側の中庭に光と風を集める構成です。
施主ヒアリングで見えた生活像
初回ヒアリングでは、施主様から以下の明確なご要望をいただきました。
- 外観は極力閉じた印象にしたい(プライバシー重視)
- 中庭を生活の中心としたい
- 買い物帰宅後、玄関からキッチンまで家事動線をスムーズに
- 家族用と来客用のトイレを分けたい
- フルフラットな平屋で老後も安心して暮らしたい
このように、暮らしの質と将来への備えの両面を見据えたご要望が多く、設計者としても強く共感できる内容でした。
敷地と空間をつなぐ「中庭」の可能性
中庭はただの屋外空間ではなく、光・風・視線の流れをつくる「屋内と屋外をつなぐ装置」として機能します。南面に配置された中庭は、リビングやキッチンへ柔らかい自然光を取り込み、外部に開かれていなくても明るく風通しの良い室内環境を生み出します。
また、植栽やウッドデッキなどを設けることで、四季の変化を感じる豊かな暮らしも実現できます。
次回へ向けた設計の方向性
次回のご提案(プレゼンテーション)では、以下の内容を中心にお見せする予定です。
- 建物配置とゾーニング
- 生活動線と回遊性
- 中庭とのつながり
- 外観・ファサードのイメージ
静岡県という風土を活かしながら、住む人の「心の静けさ」を形にする平屋住宅を目指して、引き続きご提案を重ねてまいります。