Column
香川でパッシブ住宅・高断熱高気密住宅を建てる
一級建築士が香川の気候を踏まえて解説
「光熱費を抑えたい」「快適な室温を保ちたい」「ZEH・省エネ住宅を検討している」 そんな方に向けて、香川の気候に合ったパッシブ設計を解説します。
香川の気候とパッシブ設計
香川県は日本で最も晴天日数が多い県のひとつです。 年間日照時間は約2,000時間を超え、瀬戸内海の温暖な気候が特徴です。 一方で夏の日射は強く、適切な日射遮蔽なしには室温が大幅に上昇します。
気候区分
6地域(温暖)
年間日照
約2,100時間
夏の課題
強い日射
冬の課題
朝晩の冷え込み
香川でパッシブ住宅を設計する際は、「夏の日射をどう遮るか」が最重要課題です。 寒冷地で重視される「冬の断熱」だけでなく、 「夏の遮熱・通風」を同時に考慮した設計が求められます。
香川でのパッシブ設計4つの戦略
日射制御(夏の遮熱)
香川は年間晴天日数が全国トップクラス。夏の日射を適切に遮ることが最優先事項です。軒の出・庇・窓の位置と大きさを計算し、夏は日射を遮りながら冬は日射を取り込む「パッシブソーラー設計」が有効です。
- ✓南面の窓に60cm以上の軒や庇
- ✓東西面の開口部は最小限に
- ✓Low-E複層ガラスの使用
高断熱・気密施工
断熱性能は「UA値(外皮平均熱貫流率)」で判断します。香川は気候区分6地域(温暖地)に相当し、UA値0.46以下がZEH基準、0.4以下が推奨です。気密性はC値1.0以下を目標にしましょう。
- ✓断熱材の種類と厚みの最適化
- ✓熱橋(ヒートブリッジ)の防止
- ✓C値1.0以下の丁寧な気密施工
自然通風の活用
香川の夏は暑くなりますが、夜間は比較的涼しくなります。昼間に日射遮蔽で室温上昇を防ぎ、夕方以降に窓を開けて通風させる「夜間通風」を設計に組み込むことで、エアコン使用を大幅に減らせます。
- ✓南北に開口部を設ける通風計画
- ✓高窓(ハイサイドライト)で上昇気流
- ✓中庭や吹き抜けを活用した立体的通風
適切な開口部計画
窓は「熱の出入り口」です。大きな窓は開放感を生みますが、断熱性能を落とします。窓の位置・大きさ・ガラスの種類を慎重に設計することで、採光・通風・断熱の三つを高い水準でバランスさせることができます。
- ✓複層ガラス(Low-E)の全面採用
- ✓南面を広く・北面を最小限に
- ✓トリプルガラスの検討(寒冷地仕様)
パッシブ住宅・高断熱住宅のコスト
高断熱・高気密住宅は初期費用が増加しますが、光熱費の削減で長期的にコストを回収できます。
| 仕様 | UA値目安 | コスト増 |
|---|---|---|
| 省エネ基準(最低限) | 0.87以下 | 標準 |
| ZEH水準 | 0.46以下 | +100〜200万円 |
| パッシブハウス基準 | 0.28以下 | +200〜400万円 |
※ コスト増は建物規模や仕様により異なります。補助金(ZEH補助金など)の活用で実質負担を減らせます。
設計事務所に依頼するメリット
パッシブ設計・高断熱住宅は、住宅メーカーの規格品でも対応できますが、 設計事務所に依頼することで「その土地・その家族のための最適解」を導き出せます。
敷地に合わせた日射シミュレーション
東西南北の向き・周辺の建物・樹木の状況を踏まえて、その敷地に最適な開口部を設計します。
設備に頼りすぎない設計
エアコンや換気システムに依存するのではなく、建物自体の性能で快適な環境をつくる「建築的解決」を追求します。
素材と工法の自由な選択
規格品に縛られず、断熱材・窓・換気システムを最適なものを選択できます。
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ABOUT THE ARCHITECT
担当建築家について
KAWAZOE ARCHITECTSは、一級建築士・河添甚が主宰する香川の設計事務所です。 2025年布野修司賞を受賞。高松市・さぬき市を拠点に、香川全域での住宅設計・工事監理に対応しています。
建築家・河添甚のプロフィールへ →