香川で注文住宅を考えるとき、土地を先に買うと「建物に使える予算が足りない」という問題が起こりやすくなります。土地代と建築費を別々に考えず、外構、設計料、造成、地盤、登記、ローン費用まで含めた総額から逆算することが重要です。
この記事では、土地の契約前に決めておきたい予算配分と、設計事務所へ確認する順序を整理します。記載金額は計画初期の目安です。敷地条件、面積、構造、設備、物価、融資条件によって変わるため、購入判断には個別の敷地調査と概算見積もりが必要です。
目次
住宅の総予算は、土地と建物だけでは決まらない
総予算は、少なくとも次の6項目に分けて確認します。広告の「坪単価」や土地価格だけでは、完成して暮らし始めるまでの金額は判断できません。
| 項目 | 含めて考えるもの |
|---|---|
| 土地取得費 | 土地代、仲介手数料、登記、税金 |
| 建物工事費 | 本体工事、設備、造作、照明など |
| 付帯・別途工事 | 外構、給排水引込、空調、カーテン、解体 |
| 土地対応費 | 造成、擁壁、地盤改良、残土処分 |
| 設計・申請費 | 設計監理、構造設計、確認申請、各種検査 |
| 諸費用・予備費 | ローン、保険、引越し、家具、価格変動への備え |
住宅金融支援機構の2024年度フラット35利用者調査では、全国の平均所要資金は注文住宅で3,936万円、土地付注文住宅で5,007万円でした。ただし、これはフラット35利用者の全国平均であり、香川の個別計画にそのまま当てはまる数字ではありません。全国水準を把握したうえで、香川の土地条件と希望する住宅の仕様に置き換えて考えます。
土地を探す前に、建物へ残す金額を決める
予算配分は「買える土地の上限」から考えるのではなく、「必要な建物と外構を実現した後、土地へいくら使えるか」という順序で考えます。
KAWAZOE ARCHITECTSが公開している香川・高松の料金情報では、木造新築住宅の設計監理料は工事費の10〜15%が目安です。地盤調査、確認申請手数料、構造設計などが別途になる場合もあるため、設計料を一つの数字だけで判断せず、含まれる業務を確認してください。
土地価格を上げれば、建物面積、素材、断熱性能、外構のどこかを調整することになります。反対に、土地価格だけを抑えても、造成や上下水道の引込に費用がかかれば総額は下がりません。土地と建物を同じ表で比較することが必要です。
安く見える土地ほど、契約前に追加費用を確認する
- 道路と敷地に高低差があり、擁壁や造成が必要
- 上下水道や雨水排水の引込距離が長い
- 既存建物、古い基礎、樹木の撤去が必要
- 地盤改良の可能性がある
- 進入路が狭く、工事車両や重機に制約がある
- 防火、景観、農地転用などの手続きが必要
- 駐車台数を確保するため外構面積が大きくなる
これらは不動産情報の土地価格に含まれません。候補地が見つかった段階で、設計者に資料を共有し、建てられる大きさと追加費用の可能性を確認してから契約判断へ進むのが安全です。
総予算を3つのケースで比較する
次の表は配分方法を理解するための仮定例で、見積価格ではありません。土地条件によって同じ総予算でも建物へ残る金額が変わることを確認してください。
| 仮定例 | 土地 | 建物・付帯工事 | 設計・諸費用等 | 総額 |
|---|---|---|---|---|
| 郊外の整形地 | 700万円 | 2,700万円 | 600万円 | 4,000万円 |
| 市街地の土地 | 1,300万円 | 2,500万円 | 700万円 | 4,500万円 |
| 造成が必要な土地 | 600万円 | 2,900万円 | 700万円 | 4,200万円 |
土地が600万円でも、造成や擁壁に費用が必要なら、700万円の整形地より総額が高くなることがあります。土地単価ではなく、建築可能な状態まで整える費用を含めて比較します。
土地契約前に行う5つの確認
- 総予算の上限を決める
借入可能額ではなく、毎月返済と将来支出から無理のない上限を決めます。 - 建物の最低条件を整理する
必要面積、性能、駐車、庭、素材など、削れない条件を決めます。 - 候補地を建築の視点で確認する
法規、日射、風、視線、接道、高低差、インフラを確認します。 - 概算総額を一枚にまとめる
土地、建物、外構、設計、造成、諸費用を同じ資金計画表へ入れます。 - 予備費を残して契約する
地盤や価格変動など、設計前には確定できない費用へ余白を残します。
補助金は、予算に最初から組み込まない
香川県は2026年度に、ZEHの新築・購入などを対象とする「かがわスマートハウス促進事業補助金」を案内しています。ただし、対象条件、申請時期、予算上限があり、年度途中で受付状況が変わる可能性があります。補助金は取得できた場合の調整分として扱い、補助金がなくても成立する資金計画を基本にしてください。
土地が決まる前に相談する意味
土地購入前であれば、土地と建物の配分をまだ調整できます。契約後は土地条件を変えられないため、設計で解決できる範囲と追加費用が必要な範囲を早めに分けておくことが重要です。
参考資料
掲載内容は2026年7月時点の公開情報をもとに整理しています。費用、制度、融資条件は変更される場合があります。土地購入や契約の最終判断は、不動産会社、金融機関、設計者など各専門家へ個別に確認してください。
住宅設計の相談前に整理する
家づくりの進め方、設計費用、比較検討、実績を目的別に確認できます。

