新国立競技場の設計決定|隈研吾氏のA案と伊東豊雄氏のB案比較

新国立競技場の設計決定|隈研吾氏のA案と伊東豊雄氏のB案比較

2015年12月29日

新国立競技場 見直し案の決定

ザハ・ハディド氏による新国立競技場の設計案が白紙撤回されて以降、再公募が行われていた新国立競技場の再提案について、先日最終的に2案の応募があり、隈研吾氏のA案が採用されることが決定しました。

白紙撤回となったザハ・ハディド案

ザハ・ハディド案 新国立競技場
初期案からコスト面・要綱調整により変更された最終案。最終的には建設費高騰により白紙撤回。

決定案:隈研吾氏の新国立競技場設計案(A案)

隈研吾 新国立競技場 A案
施工性・経済性のバランスが高く評価され、最終的に採用された隈研吾氏のA案。

落選案:伊東豊雄氏の新国立競技場設計案(B案)

伊東豊雄 新国立競技場 B案
デザイン性ではA案を上回る評価を受けた、伊東豊雄氏のB案。特徴的な有機的フォルムが印象的。

勝敗の分かれ目

結果的には施工性・コスト・実現性の総合評価で安定感を示した隈研吾氏の案が採用されました。
一方で、伊東豊雄氏のB案は「デザイン性」評価においてA案を上回っており、審査の過程ではデザイン重視か実現重視かという議論もありました。
結果として、社会的合意や国際的スケジュールを考慮した「安定的な実現可能性」が優先された形です。

まとめ

隈研吾氏は、これまでも格子ルーバーや木材など和の素材を用いたモダンな建築を多く手掛けており、今回の案でも「日本らしさ」を軸にしたデザインアプローチが採用されています。
一方で、ザハ案の構成を下敷きにしているとの指摘もあり、コンセプト継承の有無について今後も議論は続きそうです。
いずれにしても、東京を代表する新しいランドマークとして、時代を超えて受け継がれるスタジアムになることを期待したいところです。

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