ウェストパーク1000見学レポート|隈研吾による高崎駅前の建築デザイン

ウェストパーク1000見学レポート|隈研吾による高崎駅前の建築デザイン

2015年6月21日

先日は群馬県に行く機会があったので、建築家・隈研吾さんが設計したウェストパーク1000(高崎駅西口駐車場)を見学してきました。
高崎駅前の再開発エリアの一角に建つこの建築は、都市と建築、素材と光の関係性を感じられる隈建築らしい駐車場施設です。

ウェストパーク1000(高崎駅西口駐車場)

設計: 隈研吾(2001年)
所在地: 群馬県高崎市朝日町34-1

ウェストパーク1000 外観
メイン道路側から見た外観。都市のランドマーク的な存在感を放っています。

外装デザインの特徴は、プレキャストコンクリート製の茶色いルーバーフィンと、ランダムに配置された乳白ガラスのフィン
素材の重なりが光を受けて変化する表情が、単なる駐車場を超えた建築的表現を生み出しています。

隈研吾 ウェストパーク1000 ファサード
ルーバーフィンと乳白ガラスが織りなす独特の外装デザイン。

裏手に回ると、内部のR形状の車路がルーバーフィン越しに透けて見える構成になっており、
内部と外部が視覚的に重なり合うような意匠が印象的でした。

ウェストパーク1000 駐車場外観
駐車場裏側。R形状のスロープが外装の奥に浮かび上がるように見えます。

エレベーターのサインデザイン

ウェストパーク1000 エレベーター内部
エレベーター内部のボタンサイン。遊び心のあるデザインが印象的です。

このサインデザインなら、子どもたちも自然と覚えてくれそうですね。
建築の中にこうした小さな楽しさを見つけることも、隈建築の魅力の一つです。

見学を終えて

一見すると無機質になりがちな駐車場という用途の建築を、素材の表情と光の操作によって都市の風景に溶け込ませる。
この建築からは、隈研吾さんが一貫して追求している「透明性」と「素材の軽やかさ」の思想を感じることができました。

▶︎ 関連ページ:東京事務所建築作品集Metabrain Lab(パラメトリックデザイン)