住宅や店舗、オフィスなどの建築に欠かせない「ガラス」。一口にガラスといっても、用途や性能によってさまざまな種類があります。今回は、建築によく使われるガラスの種類についてわかりやすく解説します。
ガラスとは?
石英・ソーダなどを原料に高温で溶かし、混ぜ合わせて冷却した物質。透明で硬いがもろく、着色も可能。窓や建具、器具など幅広い用途に利用されています。
建築に使われるガラスの種類
フロートガラス
最も一般的な「透明ガラス」で、フロート工法によって製造されます。住宅からオフィス、店舗まで、幅広く使用される基本的なガラスです。
合わせガラス
二枚以上のフロートガラスの間に中間膜(樹脂膜)を挟んで接着したガラス。割れても破片が飛散しにくいため、安全性が非常に高く、防犯性や防災性が求められる場所で使われます。
複層ガラス
二枚のガラスの間に空気層を設けたガラス。断熱性能が高く、省エネ住宅やオフィスで採用されることが多いです。詳しくは 複層ガラスについて をご覧ください。
強化ガラス
通常のガラスを加熱・急冷することで約3.5〜4倍の強度を持たせたもの。風圧や衝撃に強く、安全性を高めたい場面に用いられます。
熱線反射ガラス
表面に金属膜をコーティングし、太陽光の熱線を反射するガラス。夏季の室温上昇を防ぎ、省エネ効果を期待できます。
熱線吸収ガラス
ガラスの原料に着色を施し、熱線を吸収する性能を持たせたガラス。遮熱効果が高く、オフィスビルや商業施設で多く採用されます。
耐熱ガラス
熱膨張率を低く抑え、急激な温度変化でも割れにくいようにしたガラス。暖炉やストーブ周辺、工場などで利用されます。
防火ガラス
火災時に延焼を防ぐための性能を備えた安全ガラス。建築基準法の防火規制区域で必須となるケースがあります。
高透過ガラス
青みを抑えて透明度を高めたガラス。展示ケースやショーウィンドウに適し、対象物の色を忠実に見せることができます。
色ガラス
金属酸化物を加えて着色したガラス。装飾性が求められる住宅や店舗のデザインに活用されます。
すりガラス
透明ガラスの片面を研磨して不透明にしたガラス。視線を遮りながら光を取り入れることができるため、浴室や間仕切りでよく利用されます。
型板ガラス
ガラス製造時に型模様を施したもの。光を通しながらプライバシーを守ることができ、玄関やトイレの窓などに多く使われます。
まとめ
ガラスには多様な種類があり、それぞれに適した用途と性能があります。住宅や店舗、オフィスで最適なガラスを選ぶことは、デザイン性だけでなく快適性や安全性の確保にも直結します。具体的な選定については、専門家に相談することをおすすめします。
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