角地の特性と、囲われた庭という選択
奥州市の分譲地角地。二面道路という条件は、開放感と同時に“視線が抜けやすい”という弱点も抱えます。
そこで私たちは、外に閉じ、内に開く鍵形状の平屋を提案する方向で構想を進めました。
建物はL字型よりさらに深く折れ曲がった“鍵形状”。中庭を囲い込むように建物を配置することで、家族だけのプライベート空間が自然と生まれます。
中庭とウッドデッキがつなぐ内と外
囲われた庭に面して、ウッドデッキを計画。
内から外へと緩やかにつながる空間は、リビングの延長としてだけでなく、家族の憩いの場や子どもの遊び場としても機能します。
このウッドデッキと中庭が、平屋でありながら“中心に開く”住まいの象徴になると考えています。
通り土間と2WAY玄関の動線計画
角地の特性を活かし、玄関を2WAYに分けて配置。
一方は来客用、もう一方は家族用とし、通り土間でゆるやかにつなぐ構成です。
この土間は単なる通路ではなく、生活の「にじみ」を許容する場所。傘を干す、靴を並べる、自転車を置く──そんなリアルな暮らしの動作を受け止める“余白”です。
廊下に生まれる“スタディ”という居場所
中庭に面する長い廊下には、スタディカウンターを設ける構想も。
ただ通り抜けるだけの場所ではなく、腰を下ろし、本を開き、親子で並んで作業できるような空間。
それは、動線と居場所が共存する、平屋ならではの贅沢かもしれません。