中庭を中心に展開するL型LDKの構成
プレゼンでは、家族がどこにいても中庭の気配を感じられるL型LDKを提案しました。
リビングとダイニングを“コの字”の東側と南側に配置し、中央には植栽とテラス。
ガラスの開口がそのまま庭へと視線を導き、空間の一体感が生まれます。
ただ「広い」だけではなく、視線の通りやすさ・光の回り方・家具の配置に至るまでシミュレーション。
暮らしの中で自然と人が集まる導線を、建築そのものに組み込んでいきました。
吹抜け階段で光を上下階へと導く
南側に設けた階段スペースは、2層にわたる吹抜け。
単なる移動のための空間ではなく、“光の筒”として設計しています。
1階の奥まで光が届き、同時に2階ワークスペースにも柔らかな日差しを取り込みます。
時間帯によって変わる光の質が、暮らしのリズムに寄り添い、
朝と夕方で印象が変わる“光のグラデーション”を生む空間に。
ワークスペースは「こもれる場所」であり「家族の気配を感じる場所」
2階には、集中できるワークスペースを配置。
吹抜けを挟みながらもリビングと緩やかにつながる位置にあり、
“距離感のあるつながり”を意識しています。
在宅ワークが日常になった今、完全に切り離すのではなく、
生活と仕事が干渉しすぎないように設計された空間が求められています。
中庭テラスと屋外空間の使い方を設計に統合
今回のコの字型プランでは、中庭が暮らしの中心となるため、
その周辺にある屋外空間との関係性も同時に設計しました。
外構、植栽、視線の抜け、テラス床の素材など、
すべてが連動するように計画。
単なる“囲われた庭”ではなく、“暮らしに寄り添う風景”としての中庭が完成します。
まとめ:光と緑に包まれた、閉じながら開く家
公園横という立地条件を最大限に活かしながら、
コの字型という配置によって、開放感と安心感を両立した住宅。
「光・風・緑・プライバシー」が一体化した暮らしの舞台は、
敷地調査とヒアリングを丁寧に積み重ねた結果、形になりました。
前編から読む:敷地調査とヒアリングの記録はこちら
この住まいが生まれるまでのプロセスを、敷地調査・要望のヒアリングから振り返っています。