ヨーロッパ建築視察の2日目は世界の有名建築家が手掛ける建築が見れるのがフランスにあるVITRACAMPAS(ヴィトラ・キャンパス)を訪れました。
目次
VITRA CAMPAS -ヴィトラ・キャンパス
ヴィトラ・ハウス – VITRA HOUSE
ヘルツォーク&ド・ムーロン – Herzog & de Meuron
こちらの建物はヘルツォーク&ド・ムーロン – Herzog & de Meuronが設計したヴィトラ・ハウスです。家型を何層にも重ね合わせたような外観はヴィトラキャンパスのアイコン的な建物です。
ランダムに積層配置されたファサードデザイン
積層する家型が交差する部分には吹抜けが計画されています。一見、印象重視と思われる外観ファサードですが内部空間は綿密に計算された空間が広がっています。
Vitra Design Museum-ヴィトラ・ミュージアム
Frank Owen Gehry – フランク・オーウェン・ゲーリー
こちらの建物はスペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館を設計した建築家フランク・ゲーリーが設計したヴィトラの美術館です。ゲーリーらしく建築的というよりも造形的で彫刻的な印象が強い建物です。
三次曲面の外観形状が特徴的な建物です。
今回はイームズ展が開催されていました。開館時間になると数多くの方が見に来られていました。
ヴィトラ・セミナー・ハウス (Vitra Conference Pavilion)
安藤忠雄 – TADAO-Ando
こちらの建物は建築家、安藤忠雄が設計したヴィトラ社のセミナーハウスです。断熱性能を担保する為、日本で見る安藤建築とは断面構成が異なります。ディテールにフォーカスすると面白い発見があります。
春になると桜が満開になるようです。この塀は桜の咲いた時期に来るとこの囲いの意味がわかるのだと感じました。
安藤さんらしい気持ちの良いらせん状の階段と吹抜け空間が内部には広がっています。
妹島和世&西沢立衛 – Sanna
こちらの建物はSanna(妹島和世と西沢立衛)が設計したヴィトラ社の配送センターです。ヴィトラ社の社長がsannaに声を掛けた時、sannaは工場施設の設計経験がないことを社長に伝えたそうです。その時の社長の回答が感動的で「だから、お願いするんだ」と即座に答えたそうです。挑戦することへの探究心には脱帽です。安藤さんも言われていましたが、昔は面白い大人がたくさんいたそうで、経験のない若者にチャンスを与えてくれてようです。安藤さんもその一人で彼が世界の建築家までのし上がるには才能はもちろんですが、そう云った熱意に答えてくれる面白い大人がいたからかもわかりません。この建物は硬質プラスチックの外装は特徴的で通常ではできない1枚ものをドイツの技術力と職人技でクリアしています。人々の熱意や面白いと思う情熱がドイツという異国の地でも不可能を可能にしています。内部は非公開で撮影禁止です。内外とも見学できたのでかなり参考になりました。
ヴィトラ社工場・消防ステーション – VITRA HOUSE
ザハ・ハディド – Zaha Hadid
こちらの建物は当初、東京オリンピックの国立競技場の設計案で一等案となったザハ・ハディド – Zaha Hadidが設計したヴィトラ・ハウスです。アンビルドの女王と言われた彼女が初めて現実に建てた建物です。ヴィトラの社長が声を掛けて実現したとのこと、彼女の才能を感じ、誰も頼まなかった設計依頼を依頼した社長の熱意やチャレンジ精神には感動しました。
学生の頃、エルクロッキーという建築雑誌でみたザハの想像の建築に目を見張った頃。実現されない建築というキャッチフレーズ。現実に建つ初期の建物を前に鋭角に尖った外観ファサード。ザハらしい建築。感動。
内部空間は斜めの壁で構成されていてまたそれも感動。感覚を揺さぶられる、そして、使いやすさとは無縁で、その中にあるデザイン性や感性で成立している空間。改めて、チャレンジすることの重要性を教えてくれる建物です。