ヴィトラ・キャンパス建築視察|世界の巨匠たちが手掛けた建築群を巡る旅

ヴィトラ・キャンパス建築視察|世界の巨匠たちが手掛けた建築群を巡る旅

2018年5月29日

ヨーロッパ建築視察の2日目は、世界の著名建築家が手掛けた建築が集うフランスのVITRA CAMPUS(ヴィトラ・キャンパス)を訪れました。

VITRA CAMPUS – ヴィトラ・キャンパス

ヴィトラ・ハウス – VITRA HOUSE

ヘルツォーク&ド・ムーロン – Herzog & de Meuron

こちらはヘルツォーク&ド・ムーロンが設計したヴィトラ・ハウスです。家型を何層にも重ね合わせた外観は、ヴィトラ・キャンパスを象徴するアイコニックな建築です。

ヘルツォーク&ド・ムーロン設計 ヴィトラ・ハウス 外観
ランダムに積層された家型ボリュームが印象的なファサード。
ヴィトラ・ハウス 内観 吹抜け空間
積層する家型が交差する部分には吹抜けが設けられ、立体的な空間が広がる。

Vitra Design Museum – ヴィトラ・デザイン・ミュージアム

フランク・オーウェン・ゲーリー – Frank O. Gehry

こちらは、フランク・ゲーリーによるヴィトラ・デザイン・ミュージアムです。スペインの「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」で知られる彼らしい、彫刻的でダイナミックな外観が特徴です。

フランク・ゲーリー設計 ヴィトラ・デザイン・ミュージアム 外観
三次曲面を多用した外観。ゲーリーらしい造形的アプローチ。
イームズ展 展示風景 ヴィトラ・デザイン・ミュージアム
訪問時は「イームズ展」が開催され、多くの来館者で賑わっていた。

ヴィトラ・セミナーハウス – Vitra Conference Pavilion

安藤忠雄 – Tadao Ando

こちらは建築家安藤忠雄が設計したセミナーハウス。断熱性能を確保するため、日本で見られるコンクリート建築とは異なる断面構成を採用しています。
ディテールに目を向けると、ヨーロッパ仕様の工夫が随所に見られます。

安藤忠雄 ヴィトラ セミナーハウス 外観
春には桜が咲き、この囲いの意味がより鮮明に感じられるという。
安藤忠雄設計 セミナーハウス 内観 吹抜け空間
らせん階段と吹抜けが織りなす、安藤建築らしい静謐な内部空間。

ヴィトラ配送センター – SANAA

妹島和世&西沢立衛 – SANAA

SANAA(妹島和世+西沢立衛)が設計したヴィトラ社の配送センター。
工場設計の経験がなかった彼らに依頼を決断した社長の「だから、お願いするんだ」という言葉が印象的です。
未知の領域に挑戦する建築家と、それを信じるクライアントの関係に感銘を受けました。

SANAA設計 ヴィトラ配送センター 外観
硬質プラスチックの外装を1枚構成で仕上げた高精度な外観。

ヴィトラ・ファイヤーステーション – Vitra Fire Station

ザハ・ハディド – Zaha Hadid

ザハ・ハディドが設計したヴィトラ・ファイヤーステーション。
「アンビルドの女王」と呼ばれた彼女が初めて現実に建てた建築です。
当時、社長が「誰も頼まなかった彼女に依頼する」という挑戦をしたことが、この名作の誕生につながりました。

ザハ・ハディド設計 ヴィトラ消防ステーション 外観
鋭角的でダイナミックなファサード。ザハらしさが凝縮された初期作品。
ザハ・ハディド 消防ステーション 内観
斜めの壁で構成された内部空間。感覚を刺激する造形が体験できる。

使いやすさとは無縁とも言える空間構成ですが、建築の本質である「挑戦すること」を改めて感じさせる一棟でした。