ヨーロッパ滞在3日目は、ドイツ南西部のロラック(Lörrach)地区にて、建築家自らが企画・施主となったデザイン集合住宅を見学しました。
市街地の中で建替えが厳しく制限されている中、建築家自身が行政へ再開発を提案し、実現に至ったプロジェクトです。
レラハ地区の集合住宅
この集合住宅は、建築家が自らの思想を直接形にしたプロジェクト。ドイツでは条例により既存建物の建替えが難しく、新築が少ない中で、行政との協働により実現した事例です。
写真右上のフィックス窓下に見えるグレーチング部には、非常用の床下ヒーターが組み込まれています。通常の暖房設備を持たず、自然エネルギーと換気の設計で快適性を確保する点が印象的でした。
断熱・通気・換気によるパッシブな環境設計が体現されたこの住宅。建築家の思想が街づくりと一体化した好例でした。
