建築家が自ら企画した集合住宅|レラハ地区の環境デザイン

建築家が自ら企画した集合住宅|レラハ地区の環境デザイン

2018年7月17日

ヨーロッパ滞在3日目は、ドイツ南西部のロラック(Lörrach)地区にて、建築家自らが企画・施主となったデザイン集合住宅を見学しました。
市街地の中で建替えが厳しく制限されている中、建築家自身が行政へ再開発を提案し、実現に至ったプロジェクトです。

レラハ地区の集合住宅

レラハの集合住宅 外観
建築家自らが施主となり企画・設計した集合住宅。

この集合住宅は、建築家が自らの思想を直接形にしたプロジェクト。ドイツでは条例により既存建物の建替えが難しく、新築が少ない中で、行政との協働により実現した事例です。

レラハの集合住宅 外観デザイン
一見レンガのように見える外壁。実際は柔らかい特殊素材でリアルな質感を再現。
レラハの集合住宅 妻側デザイン
妻側外観には複数の外装材を組み合わせ、素材の表情を活かしたファサード構成。
レラハの集合住宅 室内
室内は空調を設けず、断熱性能と換気システムにより快適温度を維持。

写真右上のフィックス窓下に見えるグレーチング部には、非常用の床下ヒーターが組み込まれています。通常の暖房設備を持たず、自然エネルギーと換気の設計で快適性を確保する点が印象的でした。

レラハの集合住宅 非常用床下ヒーター
窓下に設置された非常用電気ヒーター。日常運用ではほとんど使用されないとのこと。

断熱・通気・換気によるパッシブな環境設計が体現されたこの住宅。建築家の思想が街づくりと一体化した好例でした。