最近の住宅設計では、かつて当たり前だった「広い子供部屋」を用意しないケースが増えています。今回は、建築家の視点から子供室の室面積について解説し、現代の暮らしに合った子供部屋の考え方をご紹介します。
充実させないのが主流?現代型の子供室
建築家が提案する「3帖の子供室」
皆さんは子供の頃、何帖くらいの部屋を与えられていましたか?昭和・平成初期は6帖前後が一般的でしたが、現在は3帖の子供室を提案するケースも増えています。設計相談の場で3帖と伝えると驚かれることが多いですが、実は現代の暮らし方には十分対応できる面積です。
完結型から共用型へ|子供部屋の役割の変化
従来は「ベッド+デスク+クローゼット」を子供室に詰め込むのが主流でした。しかし今では、失敗しない家づくりの観点からも、機能を分散させた方が効率的です。勉強はリビングやスタディスペースで、収納は家族共有のファミリークローゼットに集約し、子供室は寝るだけの空間にシンプル化する傾向が強まっています。
ロフトや二段ベッドで空間を縦に活用
3帖という限られた面積でも、ロフトや二段ベッドを取り入れれば縦方向の空間を有効活用できます。子供にとっては秘密基地のような楽しさもあり、小さな空間を逆に魅力的に感じさせる工夫にもつながります。
勉強はスタディスペースやリビングで
ダイニングやリビングの一角、あるいはホールに設けたカウンターデスクで勉強するのが一般的になりつつあります。高松スタジオでも、家族で使える広めのスタディコーナーを提案する事例が増えています。子供が孤立せず、自然に家族の会話の中で学べることがメリットです。
ファミリークローゼットで家事動線を短縮
個室ごとにクローゼットを設けず、家族全員の収納をひとつにまとめるファミリークローゼットも人気です。洗濯・収納・着替えの動線が短縮され、家事効率が格段にアップします。建築家による住宅設計では、こうした生活効率を重視した間取り提案が主流になっています。
まとめ|子供室は「小さくシンプル」が現代流
子供室は広さよりも役割を絞ることが重要です。寝るための最小限の空間に抑え、勉強や収納は共用スペースに分散させることで、家族全体の暮らしやすさが向上します。これから家づくりを考える方は、ぜひ子供室の「小さな工夫」を取り入れてみてください。
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