平屋住宅はシンプルで住みやすいというメリットがありますが、二階建てなど他の住宅形態と比べて建築コストが高くなることが少なくありません。今回は、その理由を建築家の視点から解説します。
建築コストが掛かる理由とは?
平屋は1階部分に全ての機能を集約するため、二階建て以上の住宅と比べてコストが割高になる要因がいくつか存在します。
広い土地が必要になる
平屋はワンフロアで完結するため、十分な延床面積を確保しようとすると広い土地が必要になります。都市部では土地代が大きな負担となり、全体コストを押し上げる要因になります。
建坪が大きくなり資材費が増える
二階建てであれば上下に空間を積み上げられますが、平屋は横に広がる設計になるため、屋根や外壁の面積が増加します。その結果、使用する建材が増え、資材コストが高くなります。
基礎工事にコストが掛かる
建物全体を支える基礎が広範囲に必要になるため、基礎工事の費用も高くなります。さらに配管や電気設備も長く配線・配管する必要があり、施工工程が複雑化します。
設備費用が高くなりやすい
1階に全ての機能をまとめるため、設備計画が複雑になり、給排水や空調などのシステムに追加費用が掛かるケースがあります。内装の質を高めたい場合もコストが増加する傾向があります。
まとめ
このように、平屋は土地代・資材費・基礎工事・設備費用といった点でコストがかかりやすい住宅形式です。しかしその一方で、段差のない安心設計や将来的な住みやすさという大きなメリットもあります。建築家による住宅設計を依頼すれば、コストを抑えつつ理想の平屋を実現することも可能です。
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