収益力を高める店づくりとはどんな店のことを指すのでしょうか?そういった店づくりはどうやったらできるのでしょうか?頭を悩ませている店主の方も多いのではないでしょうか?今回はそんな収益力を上げる店づくりについて照明計画と回遊性に絞って解説したいと思います。
照明効果を高める
収益力を高める店づくりにおいて最も重要なのが店内の雰囲気づくりです。その中でも重要なのが業種・業態にあった照明計画を行うことです。雰囲気のある照明計画をつくることはお客さんの滞在時間が高まり、最終的に収益力を高めることに繋がります。まずは収益力を高める照明計画について考えてみたいと思います。
必要照度(目安)

物販店舗の照度(JIS基準)においては
・店内全般:500lx
がひとつの目安になります。
その他
・店舗のショーウィンドウ:1500〜3000lx
・重要陳列部:750〜1500lx
など局所的に商品等を目に付かせたい場所については
おおよその目安になります。
飲食店であれば
・客席:150〜300lx
目安になります。
業種・業態によっておおよその基準となる必要照度というものが前提としてあります。夕方以降に開店するレストランやバーなどには、暗めで落ち着いた雰囲気の照明計画が良いですし、一般的な物販であれば、やはり暗い印象よりも明るい雰囲気の方が店内での滞在時間もアップします。また、明るい雰囲気というのは清潔感を高める効果があります。清潔感が高いと言うことは、店内に滞在する時間も必然的に長くなり収益力を高める効果に繋がります。
※10lx以下の場合は風営法に掲げる低照度飲食店の対象となることがあります。
色温度(目安)

店内の雰囲気を作る上で更に重要なのが色温度です。照明計画には明るさの基準を示す照度とは別に照明の色を示す色温度というものがあります。色温度には、K(ケルビン)という単位が使われます。下記の表がおおよその色温度の数値の基準になります。値が小さくなるほど暖色系の色で高くなるほど寒色系の色の照明になります。飲食系の店舗には色温度は低めの方が一般的に良いと言われています。いわゆる色温度が低い時に使われる表現として馴染みが有るので、電球色という呼び方をすることが有ります。

飲食店やバーでは色温度が2000〜3000lx程度の低い色温度が雰囲気づくりには適しています。逆に物販で回転率の高い店舗の場合であれば3000〜5000lxが良いです。ただし、5000lx以上の色温度になると青白い印象になってしまうので業態によっては気を付ける必要があります。
回遊性を高める

物販店舗の場合、収益力を上げる為に最も重要なことは滞在時間を高めることです。滞在時間を高める為には、店内空間の回遊性を高めることです。回遊性を高めることによりお客さんが店内全体を移動する機会が増え、品物に触れる機会を増やすことができます。品物に触れる機会が増えるということは必然的に収益力を高めることに繋がります。物販店舗において最も重要なことですが、収益力を高める店づくりとしては最も重要なことです。商業施設でエスカレーターの上り下りの乗り口を、入れ子にするのも回遊性を高める方法の一つです。
まとめ
飲食の場合でも物販の場合でも、収益力を高めるために共通して言えることは店内での滞在時間を高めることです。店内での滞在時間を高めることで、物販の場合であればより多くの商品に触れる機会を増やし、飲食店の場合であれば、より多くの注文数を獲得することができます。その結果、収益力のある店へと成長していきます。その為には、上記のような照明計画を含めた店舗の空間づくりを意識することが重要です。空間やインテリアでは集客を上げる為のノウハウがたくさん存在します。基本的なことを抑えて業態にあった空間設計を行うことが重要です。
店舗の建築・改修を予定されている方へ

コメント