ハンドドライヤーが普及して以来、ハンカチを持ち歩く人は以前よりも減ってきています。しかし一方で、ハンドドライヤーは「細菌をまき散らして不衛生ではないか?」という議論を耳にすることもあります。今回は、ペーパータオルと比較しながら、ハンドドライヤーの衛生面について考えてみたいと思います。
ペーパータオルと比較したら?
ペーパータオルを使用した場合
ある調査によると、ペーパータオルを使用した場合は手の細菌が45〜60%減少すると報告されています。物理的にこすり取る作用が大きなポイントです。
ハンドドライヤーを使用した場合
一方で、同じ調査では手の細菌が平均255%増加したという結果が示されています。つまり乾かすつもりが、逆に細菌を拡散させてしまう可能性があるということです。
なぜ細菌が増えるのか?
原因は、ハンドドライヤーの内部にあります。温風で乾かす際に、手に残った細菌が空気と一緒に吹き出し口や内部に付着。さらにドライヤー内部は温度と湿度が高く、細菌が繁殖しやすい環境になり、そこから再び空気中に散布されることが指摘されています。
これに対し、ペーパータオルの場合は摩擦で物理的に細菌を除去できるため、結果的に細菌数を減らす効果が高いといえます。
最新の研究では?
近年はジェット式の高速ハンドドライヤーやHEPAフィルターを搭載した機種も登場し、旧来型に比べれば飛散リスクを減らす工夫も見られます。ただし、完全に無菌化するわけではなく、利用方法や周囲環境によって効果は変わります。WHOや一部の衛生機関も「公共空間ではペーパータオルが最も推奨される」としています。
まとめ
ハンドドライヤーは便利でエコな選択肢ですが、衛生面ではまだ議論が残ります。感染症が気になる季節や医療・飲食施設などではペーパータオルが推奨されるケースが多く、自宅や職場でも状況に応じて使い分けるのが現実的です。
結局のところ、一番大切なのはしっかり手を洗うこと。石けんを使って20秒以上洗い、その後に清潔な方法で乾かすことが、最も有効な感染症対策といえるでしょう。
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