店舗設計とは「売上と継続性を建築でつくる仕事」である
店舗設計は住宅設計ともオフィス設計とも異なる、非常に実務的なジャンルです。
求められるのは“おしゃれな内装”ではなく、売上が上がる空間と、長く続く店をつくる構造です。
建築家が店舗設計を行う価値は、空間の美しさはもちろん、
動線・視認性・ブランド・環境の読み取りまで統合した設計ができることにあります。
(店舗デザインの詳細:/shopdesign)
1|店は「最初の3秒」で評価される
お客様が店に入るかどうかは、わずか3秒で決まります。
その3秒で伝えるべきものは次の3つ。
- 安心して入れる店であること
- どんな体験ができるかが直感でわかること
- 世界観が一瞬で伝わること
そのために重要なのが、ファサード設計です。
光の量、素材の“面の出し方”、街との距離感などは、外観で勝負が決まる要素です。
2|動線計画は「客単価と滞在時間」を左右する
店舗設計でもっとも大きく売上に影響するのが 動線 です。
- どこで立ち止まるのか
- どこを回遊させるか
- スタッフはどこに立つべきか
- 会計・受取りの導線は自然か
これらが全て“売れる仕組み”として働きます。
建築家の役割は、無意識に動けて、居心地が良く、店の魅力が伝わる道筋をつくることです。
3|ブランドは「建築・サイン・Web・什器」まで統一される
強い店ほど、建築だけでは完結しません。
- ロゴ
- サイン計画
- 什器
- メニュー
- パッケージ
- Webサイト
- SNSの世界観
これらが一致して初めてブランドとして機能します。
建築家がトータルで設計することで、
世界観に一貫性が生まれ、店としての“強度”が高くなります。
(実例:/portfolio)
4|店は「街とつながる設計」で長く愛される
良い店は、街との関係性がうまくつくられています。
- 光の量は強すぎないか
- 外からどれくらい“見せる/隠す”のか
- 街を歩くスピードに合わせた見え方か
- 季節の変化に馴染むか
建築は街の一部です。
店舗設計は「街にどう参加するか」という視点が欠かせません。
(地域での設計:/office-kagawa)
5|「経年変化」が美しい店は、時間とともに価値が上がる
オープン直後がピークの店は、すぐに廃れてしまいます。
大切なのは 経年とともに良くなる建築 です。
- 経年変化を味にできる素材
- メンテナンスがしやすい計画
- 什器変更に強いレイアウト
- 設備の更新を見越した設計
長く続く店は、時間まで計画されています。
6|「働く人のための設計」が店舗設計の本質
店舗はスタッフが主役でもあります。
働きやすさは、売上・接客・店の雰囲気に直結します。
- 作業動線
- 視界の確保
- 収納量
- 作業負荷の少ない設備配置
これらが整っている店は、スタッフが長く働ける空間になります。
7|建築家がつくる店は「長く続く仕組み」が宿る
建築家が取り組む店舗設計には、以下の特徴があります。
- 世界観の構築
- 街との関係性
- 動線計画
- ブランド統一
- 経年変化への理解
- 実務としての使いやすさ
すべてを一貫して扱えるからこそ、“長く愛される店”を設計できるのです。
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