外壁納まり検討|ガルバリウム鋼板K型スパンのコーナー納まり試作【KK2-HOUSE PROJECT】

外壁納まり検討|ガルバリウム鋼板K型スパンのコーナー納まり試作【KK2-HOUSE PROJECT】

2017年2月28日

先日はKK2-HOUSE PROJECT 3として、外壁と屋根の納まり検討を行いました。
施主が板金会社ということもあり、実際に工場に伺ってモックアップによる確認と、外壁色の最終検討を行いました。

外壁と屋根の納まり検討

本物件の外壁はガルバリウム鋼板(K型スパン)です。表面にはリブ状の凹凸があり、シャープで金属的な印象を与えます。
今回は外壁コーナー部の納まりを中心に検討を行いました。

一般的にK型スパンのコーナー部は、既製のL字コーナー材を使用しますが、リブ形状と合わずに連続性が途切れてしまうため、
今回はリブを直角に連続させるオリジナル部材を製作。職人さんと試作を重ね、苦戦しながらも形にすることができました。

外壁色の確認

外壁がガルバリウム鋼板の家
外壁色はシルバーとブラックのツートン構成。屋外光で最終確認を行いました。
外壁色の確認 住宅外壁
外壁色は必ず屋外で確認。室内照明下では色味が変わるため注意が必要です。

外壁の色確認では、屋内の照明ではなく実際の屋外光の下で確認することが重要です。
また、できる限り大きなサンプルを用意することで、リブの陰影や反射の見え方を正確に判断できます。

縦ハゼの先端加工の検討

縦ハゼの先端加工
断面図ではシャープなラインを想定していましたが、実際の加工では立ち上がりが緩やかに。

図面上では鋭角な立上がりをイメージしていましたが、実際に加工してみると物理的な限界があり、
最終的に先端加工は行わない仕様としました。試作を通して見えてくる現実的な納まりも設計の一部です。

コーナー部材制作の様子

板金会社とプロダクト制作
ホワイトボードに断面図を描きながら、職人さんと検討を重ねます。

加工用機械を使用した試作の様子

板金を使用した住宅
加工用機械を用いて試作。リブの角度やピッチをミリ単位で調整。

試作品の完成

ガルバリウム鋼板 コーナー部材
リブが直角に連続する美しい納まり。試作を経て方向性が明確になりました。

図面上では見えない「納まりの美しさ」を実物で確かめることは、建築の完成度を左右する重要なプロセスです。
今回は試作を通じて素材の特性を共有でき、設計と施工の両立点を見出すことができました。

▶︎ 関連ページ:東京事務所香川事務所高松スタジオ