スイス・バーゼルの街並みを歩く|初日の建築視察ノート

スイス・バーゼルの街並みを歩く|初日の建築視察ノート

2018年5月28日

ヨーロッパ建築視察の初日、スイス・バーゼルの街並みを散策しました。歴史的建物が多く残り、街全体で景観が丁寧に守られていることが印象的でした。ホテルからトラム停留所まで歩きながら、素材・スケール・サイン計画などを観察しています。

バーゼルの街並み

スイス・バーゼルの歴史的街並み
石造のファサードとスレート屋根がつくる重層的な街並み。

街中を走るトラム

日本でも導入が進むトラムですが、十数年前は「近未来の都市交通」という印象でした。車道・歩道・軌道が緩やかに共存し、街路景観に自然に溶け込んでいます。

バーゼル中心部を走るトラム
車両色も景観配慮され、街路樹と調和。

ブランドショップのファサード(Cartier)

歴史的建物の外壁を尊重し、サインやショーウィンドウを最小限に抑えたリノベーション。視認性よりも街並みとの調和を優先したデザイン思想が見て取れます。

歴史的外壁を活かしたCartierのファサード
既存素材を生かしつつ、現代的なディテールを織り交ぜる。

バーゼル大聖堂(Basler Münster)

圧倒的なスケールと象徴性を持つ都市のランドマーク。時代を超える造形は、現代においても強いプレゼンスを放ちます。

バーゼル大聖堂の外観
尖塔と石積みが織りなす重厚なシルエット。

Gymnasium am Münsterplatz(石畳の広場)

広大な石畳が精緻に敷設され、スケールの大きな公共空間を形成。長い時間と人の意志が積層した、都市の“床”の力を感じます。

Münsterplatzの石畳広場
均質でありながら微細なむらが生む質感の豊かさ。

ライン川(Rhein)

川面の反射が街並みを反転し、奥行きを強調。曇天でも水辺景観が都市の連続性を支えています。

ライン川と対岸の街並み
水際の高さ・素材・色彩が連続する落ち着いた景観。

Cityscape of Basel(街路とサイン計画)

商業サインは控えめに統制され、建物のプロポーションを損なわない位置・サイズに。経済活動と景観保全のバランスが巧みです。

商業サインと街並みの調和
色・明度・設置高さの“揃え”が街路の秩序を生む。