先日は、瀬戸内国際芸術祭2019の初日に犬島へ向かいました。
香川からのアクセスは「直島 → 豊島 → 犬島」とフェリーを乗り継ぐルート。最初の乗り継ぎ地点となる直島では、SANAAが設計を手掛けた「海の駅なおしま」を見学しました。港という機能空間に、建築的な軽やかさと透明感を持たせた秀逸な公共建築です。
海の駅 なおしま
直島フェリーターミナル|SANAA設計
到着した瞬間に感じるのは、屋根の“薄さ”と柱の“細さ”。この非日常的なプロポーションが、旅の起点としての軽やかさを象徴していました。港という喧騒の場に、静寂のデザインを持ち込むような建築です。
「仮設」と「恒久」の間にあるデザイン
この建築には、恒久的な施設でありながら、あえて“仮設的”な雰囲気が漂っています。
軽量な屋根、点で支える細柱、反射する床と壁面。それらが一体となり、“建築が風景に溶け込む瞬間”を演出しています。
直島の玄関口として、訪れる人を静かに迎え入れる佇まい。機能性と詩的感性が同居した、SANAAらしい港の建築でした。
