METABRAIN.LAB / CONCEPT STUDY

STRATA

地層の美術館

緑の斜面に低い石の棟が連なり、遠くに海を望む構想パース

CONCEPT / LAYERS OF EXPERIENCE

地形に沿い、
光の間を歩く。

瀬戸内の緩やかな斜面を想定し、石の壁が低く連なる美術館を考えました。STRATAという名前に重ねたのは、地形の層、素材に残る時間、そして歩くことで積み重なる体験です。

庭を歩いてから作品を見る。作品を見たあとに、工房で素材に触れる。一つひとつの体験が次の場所の見え方を変え、帰り道には、入口で見た石の壁にも新しい表情を見つける。その往復を建築の中につくります。

展示・制作・休息を、三つの棟と二つの光庭でつなぐ。美術館全体を、作品と場所への理解が少しずつ深まる道筋として構想しています。

FORM & LANDSCAPE

三つに分けることで、
風景が間に入る。

入口とカフェの棟、展示の棟、工房と収蔵の棟。三つの役割を並べ、棟の間を庭として残します。展示室を移るときにも、建物の奥へ進むときにも、外の明るさや植栽が見える構成です。

棟を少しずつずらすのは、正面から全体を一度に見せず、歩くにつれて次の場所が現れるようにするため。壁の端から庭がのぞき、回廊の先に別の棟が見える。その連続が、奥へ進む手がかりになります。

斜面に向かっては低い石の輪郭を重ね、庭に向かっては視線を開く。屋根の緑も含めて、遠くからは地形の重なりとして、近くからは人が過ごせる場所の集まりとして読める姿を目指します。

石壁と植栽の間を歩き、ガラスの入口へ向かう空間イメージ

01 / APPROACH

歩く速さが、
変わる入口。

庭では遠くの風景に向いていた視線が、石壁の間に入ると、目の前の石の凹凸や足元の影に移る。入口までの短い道に、見る距離が変わる場面をつくります。

植栽と舗装は建物の足元まで連続させ、壁の先にガラス越しの庭を見せる。外から内へ移る間に、小さな発見を重ねて、作品に向き合う時間へ導きます。

02 / GALLERY

集中のあとに、
庭を見る時間を。

展示室で一つの作品を見たあと、回廊で視線を遠くへ向ける。二つの光庭は、鑑賞の途中で立ち止まり、自分の速さを取り戻せる場所として考えています。

繰り返し現れる庭は、歩いてきた道を振り返る目印にもなる。戻って見たい作品があれば引き返し、疲れたら休む。人によって異なる鑑賞の長さを受け止める構成です。

高さのある展示棟と、庭に接する回廊。それぞれの光と空間の違いを生かし、作品を見る集中と、その余韻が続く時間をつなぎます。

石の壁と庭への開口を持つ展示室の空間イメージ

03 / LIGHT COURT

棟の間に、
空と季節を残す。

ガラスの回廊を渡ると、作品から離れた視線が木々と石の表情に戻る。光庭を建物の余白として残し、次の展示室へ向かう間にも、外の時間を感じられる場所をつくります。

ガラスの回廊から、石壁の間の植栽と光庭を望む構想パース

MATERIAL & TIME

遠くでは地形。
近くでは、石の表情。

石は、この美術館の輪郭をつくると同時に、近づいて見たくなる素材です。遠くからは水平に連なる壁として見え、近くでは石ごとの色や肌理、継ぎ目の影が現れる。見る距離によって、建物の印象が変わります。

朝夕の光や雨のあとで、石の面の見え方は変わる。庭の葉や枝も、その上に異なる影を落とします。同じ場所に再び来たときに、小さな変化を見つけられることを、この建築の時間として大切にします。

展示や工房で石の加工に触れたあと、建物をつくる石へ目が向く。作品と建築が、素材を見る経験を通してつながる美術館を目指します。

ART & EVERYDAY LIFE

つくる人と、
訪れる人の間に。

光庭に面する工房で、素材の見本を囲む人々の構想パース

04 / WORKSHOP

作品の背景に出会う

工房では、完成した作品に加えて、素材の選び方や手を動かす過程にも触れられる機会を構想しています。地域のつくり手による小さな実演、素材の見本を囲む対話、子どもが参加できる制作の時間。つくり手と一緒に、展示から続く体験を育てていきます。

制作に集中する時間と、来館者に開く時間の両方を大切にしながら、作品が生まれる背景を伝える場を考えます。

美術館のカフェから連続するテラスと庭、遠くの海を望む構想パース

05 / CAFÉ & GARDEN

日常から立ち寄れる場所へ

展示を見に来る日も、庭とカフェで過ごす日もある。入口に近い場所に休息の場を置き、滞在の長さや目的を、それぞれの人が選べる美術館を目指します。

カフェで気になった展示を次の機会に見る。工房で聞いた話を、家族ともう一度たどる。訪れるきっかけが次の訪問につながり、地域の人が繰り返し関われる場所にしていくことが、この計画の目標です。

PROJECT

STRATA
地層の美術館

用途
美術館・工房・カフェ
構成
三つの棟と二つの光庭
素材の考え方
石の外装、ガラス、緑化屋根
想定する場所
香川・瀬戸内の緩斜面
計画段階
建築提案・設計検討

敷地は未選定です。掲載パースは、構想段階の空間イメージです。

CONCEPT FILM

石と光の間を、歩く。

風景から入口、展示室、光庭へ。工房とカフェまで、六つの視点を音楽とともに巡ります。

84秒 / 音楽あり。再生ボタンからご覧ください。構想段階の空間イメージによる映像です。

METABRAIN.LAB / STRATA