Project3│
プロジェクト3
Pond Axis Commons │ 水盤を軸に展開する、思索と交流の複合空間
プロジェクト概要
広大な緑地に囲まれた敷地の中心に据えられた水盤。そこから放射状に展開するように、1階のコワーキングスペースと2階のカフェ・バーが構成されています。
このプロジェクトは「静と動」「公共と私的」「外部と内部」を結び直す空間的実験でもあり、水面が空間全体のリズムと視線の軸を支配することで、訪れる人々に自然と交差する場を提供しています。

水面が中心となる空間設計
水盤は単なる景観ではなく、空間の重心であり、視線と動線の起点です。
エントランスから最初に視界に入る水面のきらめきが、建築全体の雰囲気を定義づけ、
その反射と透過が建築と風景の境界を曖昧にしていきます。
コワーキングスペースの窓越しにも、カフェテラスからも、この水盤は常に人の記憶の中心に据えられ、視覚だけでなく、音や空気の流れまでも制御する“空間の芯”として機能しています。

層のズレと連続が生む空間構成
上下階の機能性は分離されながらも、吹き抜けや視線の抜けによってつながりが保たれています。
1階のコワーキングは集中と余白が共存する設計で、視線の先には水面と緑が広がる。
一方、2階のカフェ・バーは光の方向と高さを生かした開放的な空間構成となっており、昼と夜で表情を変えながら、思索と社交が交差する「動き」のある場として機能します。

周辺環境との呼応
建築の外構計画には、周囲の植生や風の通り道を読み込んだ操作が施されています。
舗装やデッキも、できるだけ地面に接続するように設計され、自然との一体感を損なわずに動線が生まれるよう配慮。
また、夕暮れ時には水面が空の色を映し、照明と風景が一体化することで、建築そのものが“沈黙するランドマーク”のような存在となります。

メディア空間としての可能性
この建築は、単に「働く」「飲食する」だけの機能的な複合施設ではなく、
個人と集団、リアルと仮想の接点を柔らかく内包する空間でもあります。
水盤を起点としたこの構成は、ドローン空撮やVR空間上での体験にも対応しやすく、
建築そのものが“メディアとしての空間”に進化し得るポテンシャルを持っています。
その構成は、記録・観察・滞在・共有などあらゆる行為を受け止め、
都市の縁に浮かぶ、緩やかで開かれた新しい風景を提示しています。
