Project1 │

プロジェクト1

Layered Landscapes │ スロープが描く、多層的な風景と建築の融合

プロジェクト概要

静かな自然環境の中に立ち現れる、等差のある地形を生かしたパブリックな建築。大きなスロープが、人の歩みや視線を導き、そこには流動するような空間の流れが生まれる。

スロープは高低差をやわらかく繋ぎ、単なる移動手段としてではなく、空間の構成原理そのものとなっている。
この建築が設置されたのは、周囲に公園や樹林が広がる公共性の高い敷地。自然と人工が分断されずに共存する設計が求められた中で、スロープという形式は、周囲の風景を受け入れつつ、視覚的・身体的な連続性を空間に与えることを可能にしている。

静かな自然環境の中に立ち現れる、等差のある地形を生かしたパブリックな建築

身体で視線を感じる、動線的な空間体験

スロープは単に部屋を繋ぐ動線ではなく、「歩くこと」自体を設計の中心にすえた構成要素として組み込まれている。
発展する視界や現れる風景が、ユーザーの視覚のリズムを生み、「何を見るか」を強いられるのではなく「自ら選べる」空間を提供する。

スロープ上では、空間に滞在する時間の密度そのものが変化していく。足を止めたとき、何かを見上げるとき、ふと振り返るとき――それぞれの動作が、風景との関係性を変化させ、建築と環境の交差点に身体を置くことになる。

身体で視線を感じる、動線的な空間体験

多層的な風景が流れを作る

地平のための広がりではなく、高さの違いや視線の変化そのものが、空間に空間を重ね、「建築の層」と「風景の層」が一体となって現れる。
身体の移動と共にして変化する視界が、空間の流動性を形成する。

空間の各断面は単一方向の構造物ではなく、上下・前後・斜めの全方向的な視線と連動して構成されている。そのため建築の体験は単一のルートや意図された流れではなく、選択と分岐を含む空間の連続として機能する。

多層的な風景が流れを作る

ランドスケープとの連続性

この建築は、自然環境との連続性を重要なテーマの一つとしている。
整備されたランドスケープのような動線とは異なり、地形や視界、調和した植製などの見えないようなモチーフな要素との近さを生むことで、裏の風景まで空間化させる。

都市的な舗装材やインフラ要素を強調しない素材計画によって、外部環境と建築の内外関係がにじむように設計されている。雨の流れ、木陰の揺れ、落ち葉の分布までが建築体験に取り込まれ、明確な境界線をつくらない構成が、風景との対話を可能にしている。

ランドスケープとの連続性

建築の付属性を越える

この場所は建築のためのサイトではない。
また、建築はこの場所のために立てられたわけでもない。
その両者が一度触れ、ずれ、重なったりしながら、不定形な空間としてここに現れている。
このプロジェクトは、そのような距離やずれを、そのまま建築として書き出すことを目指した。

構造はあくまで背景に退き、目に見えない緊張感として空間の芯を支えている。素材もまた、主張ではなく周囲に対する応答として配されており、建築を「固定されたかたち」ではなく、「その場で関係し続ける存在」として提示している。

建築の付属性を越える

「メタバース空間の未来を創る」そんな挑戦を共にする仲間をお待ちしています。