先日は香川県高松市桜町の家の現場監理に行ってきました。今回は左官仕上げの最終決定に向けて、職人さんに現場で塗りサンプル(モックアップ)を作成していただき、クライアントと一緒に仕様の確認を行いました。仕上げ材の質感や色味は、カタログだけでなく実際の光や環境の中で確認することが重要です。
現場モックアップによるサンプル確認
左官職人によって現場で作成された塗りサンプル。実際の外壁・内壁に近い条件で確認できるため、乾燥後の色味や質感の違いをより正確に判断することができます。
塗りたての状態では水分を多く含んでいるため、乾燥が進むにつれて表情が変化します。塗ってすぐの状態ではやや濃い色味に見えますが、時間とともにマットで落ち着いた風合いになります。
ドライヤーを用いて乾燥を促し、時間経過による色の変化をクライアントと一緒に確認。照明や自然光の下でどのように見えるかを比較しながら、最終仕様を決定しました。
このような現場モックアップを用いた仕様決定は、建築家と職人、そして施主が同じ空間を共有しながら“素材の質感”を確かめる大切なプロセスです。仕上げ材の選定は建物の印象を大きく左右するため、細部にまでこだわりながら設計監理を進めています。
