先日は愛媛県松山市にある建築家・安藤忠雄氏設計の「坂の上の雲ミュージアム」を訪れました。都市の中心部にありながら、周囲の緑と建築が見事に調和した建物です。
建築家・安藤忠雄設計「坂の上の雲ミュージアム」|愛媛県松山市
設計は日本を代表する建築家、安藤忠雄氏。
コンクリート打放しとガラスの構成による明快なデザインは、松山の緑豊かな丘陵地と呼応しています。
アプローチとファサードの構成
坂を上りきった先に現れるファサードは、重厚なコンクリートの壁とガラスの透明感が対比的。
アプローチ手前のサインもコンクリート打放しで統一され、建物全体の静謐な印象を強調しています。
水盤とオーバーハング構造
建物の下部には水盤が広がり、周囲の光を柔らかく反射。
オーバーハングした構造体は浮遊感を演出し、安藤建築らしい「静けさと緊張感」を感じさせます。
内部空間とブリッジ構造
内部はガラスカーテンウォールとスロープによる回遊動線で構成され、まるで坂道を登るように展示空間が展開します。
中央には象徴的なブリッジが渡され、柱を持たない構造が空間の軽やかさを生み出しています。
新旧の対話を生む建築構成
ガラスの向こうには大正時代の洋館「萬翠荘」が見え、新旧の対話を感じさせる構図。
素材の対比と透明性が、建築を単なる展示施設以上の「時間の交差点」として成立させています。
松山市中心部という都市的文脈の中で、坂と雲というテーマを立体的に体現したこの建築。
訪れるたびに、自然と人間、過去と未来の関係性について考えさせられます。
建築や空間デザインの視点からの考察は、Metabrain Lab|パラメトリック・ビジュアライゼーション研究でも発信しています。
