直前まで判断が揺れていた朝

フランス建築視察の出発日。
なぜか出発直前になって仕事が一気に詰まり、スケジュール調整が最後の最後まで続いた。
「これ、本当に行ける?」と数回心の中で唱えながら時間だけが進む。

結果的に空港へ向かったものの、正直ギリギリまで“中止”の文字がチラついていた。

極めつけは、家を出る直前にキャリーバッグを閉じた瞬間、なぜか鍵が開かなくなるというトラブル。
番号を変えても、力を入れても反応がなく、「これ本当に今日出発できるのか?」という不安が一気に現実味を帯びてくる。

羽田に到着してすぐ、ダイヤモンドカウンターに持ち込んで相談するも、セキュリティの観点から「ドライバーやペンチなど、鍵を壊すための道具をお貸しすることはできますが、こちらで壊す作業はできません」との説明。
「地下2階のリペアショップが9時にオープンするので、そこで相談してみてください」と案内されるが、その時点ではまだオープン前。

ショップが開くまでの時間、ターミナルの片隅でひたすら総当たりでダイヤルを回し続けるものの、まったく開く気配がない。
半ば諦めムードになりかけたタイミングで、一緒にフランスに行く友人が空港に到着。事情を説明して「一応やってみて」と渡してみると、別の当たり方でダイヤルを探り始め、ものの15秒ほどで「カチッ」とロックが外れた。

こちらが一時間以上かけても開かなかった鍵が、友人の手にかかると一瞬で解決してしまい、拍子抜けすると同時に一気に肩の力が抜けた。
この時点でようやく、「今日はちゃんとフランスに行ける」という実感が湧いてきた。


羽田第二ターミナルでの作業

到着してまずはラウンジへ。
朝なので自然光も入り、明るさもちょうどよく、作業スペースとして優秀。
メール処理や最終確認を淡々と進めつつ、「まあ、ここまで来たら行くしかないか」と腹をくくる。


ラウンジでの食事

そして今回たまたま出会した海鮮丼。
実はスイートエリア限定メニューで、見た目以上にしっかり贅沢。
朝からこんな海鮮が出るとはラッキーだった。

味も内容も申し分なく、出発前のエネルギー補給として完璧。
キャリーバッグ騒動で消耗したメンタルも、ここでだいぶ回復した。こういう小さな“ご褒美”があると、テンションが1〜2段上がる。


ゲートまでの動線

ラウンジからゲートまでは驚くほどスムーズ。
人がたまらない動線の作り方がよくできていて、「空港建築すごいな」と妙に感心する。

視界の抜けが良いと、移動中のストレスが本当に小さい。
これは見習いたいポイント。


滑走路の景色

搭乗口の近くで滑走路が一気に開ける。
光の入り方、ガラスの反射、空港特有のスケール感。
こういう景色を見ると「あ、もう出発だな」と気持ちが切り替わる。


搭乗

案内に従ってそのまま搭乗。
仕事の残りはもちろんあるが、一度飛んでしまえば腹は決まる。
現地でしか得られない情報を拾いに行くべきタイミングだと、ここで再確認。


まとめ

出発直前まで判断が揺れていたものの、羽田で準備を進めるうちに気持ちが自然と整ってきた。
キャリーバッグの鍵トラブルという予想外のハプニングも、友人の一声とラウンジの海鮮丼という“予想外の贅沢”も含めて、結果的には良いスタートになった。
フランス建築視察、まずは無事に離陸。